「たった1日でできる人が育つ!「教え方」の技術」要約・レビュー
「たった1日でできる人が育つ!「教え方」の技術」という本について、要約と感想・レビュー、向いている人などを紹介します。
どのような人に向いている本か
教えることが下手、説明が下手だなと思っている人
部下や後輩がなかなか仕事を覚えてくれない、できるようにならない人
若手への教え方を知りたい人
著者の紹介
著者は「齋藤 孝」(さいとう たかし)氏です。著書では「声に出して読みたい日本語」がよく知られているのではないでしょうか。他にも「折れない心の作り方」「学校では教えてくれない日本語の授業」など、さまざまな人気の著書を生みだされている方です。
東京大学法学部を卒業し、明治大学文学部教授を務めています。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション論です。
書籍の概要
価格
1200円(定価)に消費税
ページ分量
188ページ。軽めの紙で文字も比較的大きく、通勤時に持ち歩いても苦にならない重さです。
文体
ですます調です。
写真やイラスト/図解
図やイラストはありません。
章立て
第1章 「教え方」5つの基本スタンス
第2章 何をどう指示するか
第3章 教える重点ポイントは「段取り」
第4章 「褒める」ことが大切
第5章 部下の本機を育てる
第6章 「教える」効果がアップする方法
第7章 ミスを次につなげるコツ
内容要約
ここではネタバレも含みますが、ビジネス書の場合には、自分に役立つかどうかを判断して購入するものと考えています。買ってから期待外れにならないように、ざっくりと紹介しますね。
贔屓や比較は厳禁。丁寧語でいつも一定に感情を保つ
今は先輩風を吹かすことは通用しません。後輩だろうが新入社員だろうが、すべて丁寧語を使い一定の強度に保ちます。若者は人との比較は厳禁です。「ゆとり世代」などと、若者扱いをするのもいけません。
全体像を簡潔に、できるだけ具体的に教える
教え方は最初に全体像を簡潔に伝えたのち、できるだけ具体的に指示を出します。一部を教えて察してくれではなく、すべてを教える必要があります。今の時代はここは過保護といわれるくらいでもいいようです。
詰め込みすぎずに優先順位をつけて順番に期間を設定しながら教えていきます。いつまでに何ができるようになるのかを明確に決めるということです。
こちらからの説明は優先順位をつけ、1分で終わるように努力することも教え上手の第一歩です。
指導内容を編集し、3段階にまとめる
すべてを教える必要があるとお伝えしましたが、教え方は数が多すぎると混乱を招きます。そのため3段階くらいにまとめたほうが記憶にとどまりやすいようです。つまり教えようとすることを分解・整理し、幹の部分だけを残して伝えることになります。事前に編集をしておく必要があります。もし複雑な業務なら分解して教えたり、1つをマスターした後に次を教えたりするという方法もあります。
フィードバックは具体的に数値で
教えた結果をしっかり把握し、フィードバックしていくことも大切です。そのための報告は「どうだった?」「たいへんでした」というやりとりではなく、どのくらいの比率でどんな反応が出たのかを印象ではなく数値で語ってもらうこと。具体的な事例で語ってもらうこと。決して叱らずに新たなミッションを見つけます。現状がどうなっているのかを確認するように促します。
段取りを確認する
仕事の依頼をする際にはどういう段取りで進めるつもりか、あるいはどういう段取りで進めたのかを確認します。つまづくポイントがわかり改善しやすくなります。段取りを改善し、整えることが上司の仕事です。
フォーマットを用意する
報告のフォーマットを用意するのも、有効な手段だそうです。
「もっとここの精度をあげて」がマジックワード
まずは全体像やできた部分を褒める。そのうえで「この部分の精度をもう少し上げよう」といういい方であれば気分よく修正してくれるようになります。自己評価が低く承認欲求が強い今の人に合わせた指示の方法です。
ここに紹介したものもほんの一部ですが、それでも役に立ちそうだと感じた人もいるのではないでしょうか。
感想
個人的おすすめ度:★★★★☆
ちょっと驚いたのが現在60代になる方なのですね。普段から学生さんに教えているだけあって、これからの社会人の教え方に精通している方だなと思いました。私は今30代(アラフォー)ですが、どうやら私の教え方は古く、カスタマイズする部分があるように思いました。
冒頭のこの言葉にどきっとしました。「根底にあるのは教えることは業務外のサービスであるという意識ではないでしょうか。だとすれば、明らかに時代を読み間違えています」
私はどうやらこの意識があり、教えることにかける時間を減らそう、自分で見て学んでほしいので資料を渡して事前に読んでもらい質問があればしてほしい、といったスタンスがありました。
しかし、齋藤氏によれば、「今はもう新人が見て覚える時代ではない」ということです。
今は仕事の種類が増えたうえに「丁寧に教えてほしい」という若い人が増えたので、効率よく細やかに教えることが求められます。それを業務として、義務としてやることになります。
一方で自分ばかり教えることを抱えてしまい、教える循環をつくることができていません。自分が丁寧に手取り足取り教えてこなかったツケが今来ているようにも思いますし、同じように教えることは「自分の義務ではない」と感じる従業員が多いことも影響しています。それならば教えるカリキュラムをつくるという解決策を確立するしかないのだろうと思います。
教えるを丁寧に解説した本で、今私にとってとても必要とする情報が多いものでした。教えるためのバイブルになりそうな本でした。本当におすすめです。
「リーダーのための!コーチングスキル」要約・レビュー
「リーダーのための!コーチングスキル」という本について、要約と感想・レビュー、向いている人などを紹介します。
どのような人に向いている本か
この本は部下や後輩の育成に悩んでいる人やコーチングについて知りたい人に向いています。特に自分で何でもできてしまい、部下や後輩がついてこないという“できる人”にこそ、向いているのではないかと思います。
コーチングとは
著者によると、「コーチングとは、ひと言でいうと「引き出す」コミュニケーションです。「引き出す」とは、働きかけて、隠れているものを表に出すこと。相手から、気づきや行動を引き出し、変化と成長を促すために、しっかりと「聞く」姿勢が、コーチングの基本です。」とのこと。
ここまで読んでめんどくさいと思う方もいると思いますが、もし自ら動かない部下、自分が動かないと回らないなどとお悩みの人には一読の価値はあります。
引用:「リーダーのための!コーチングスキル」7ページ
著者の紹介
著者は谷 益美(たに ますみ)氏です。Office123の代表で、香川大学卒業後建設省者の営業職、IT企業営業職を経て2005年に独立。早稲田大学ビジネススクール、岡山大学非常勤講師も務めています。NPO法人国際コーチ連盟日本支部顧問、NPO法人日本コーチ協会四国チャプター相談役でもあります。ビジネスコーチ・ファシリテーターのプロでコーチを育てている方です。
著書に「タイプがわかればうまくいく! コミュニケーションスキル」「コーチングにおける重要度の理解と実践の認知」などがあります。
書籍の概要
価格
1500円(定価)に消費税
ページ分量
270ページ。軽めの紙で文字も比較的大きく、通勤時に持ち歩いても苦にならない重さです。
文体
ですます調です。
写真やイラスト/図解
図やイラストは基本的にありません。ただ巻末資料としてソーシャルスタイル診断判断チャート、問診票、GROWモデルワークシートなどの図表が載っています。
章立て
- プロローグ 人が育つところ、コーチングあり
- 第1章 これがリーダーのための! コーチングスキル
- 第2章 相手の心を動かすコーチングマインドとは?
- 第3章 まずは基本の「聞く」スキル
- 第4章 気づきを促す「質問」のスキル
- 第5章 相手に響く「伝える」スキル
- 第6章 ケーススタディ「GROWモデル」2つのコーチング
内容要約
ここではネタバレも含みますが、ビジネス書の場合には、自分に役立つかどうかを判断して購入するものと考えています。買ってから期待外れにならないように、ざっくりと紹介しますね。
コーチングとは「引き出す」コミュニケーション
コーチングとは会話を通して、相手のやる気や考える力を引き出すこと、そして自発的な行動を促し、相手の成長を支援すること。これによって自律した人材が増えていくという仕組みです。コーチングには「聞く」「質問する」「伝える」3つのスキルが必要です。仕組みを整えて継続できるようにスキル発揮し続ける場も必要となります。
自分の悪癖に気づこう
まずは話したいと思われるための関係性が素地となってきます。自分の悪癖に気づきましょう。
4つの「GROWモデル」について知ろう
コーチングでは有名な手法のようです。こちらを核にして記録していくのがよさそうです。
1.Goal「理想の未来」を明確にする
2.Reality「現状」を明確にする
3.Opsions「行動の選択肢」をリストアップ
4.Will 実行への「意志」を確認する
4つのソーシャルスタイル
メンバーとリーダーには大きく4つのソーシャルスタイルがあります。相手にあわせた適格なアプローチが必要です。私は典型的な「エミアブル」でした。
聞くスキル・質問のスキル・伝えるスキル
聞き出すための位置、アイコンタクトなどのスキルなど聞くスキルについて実践的な具体例をもとに細かく書いてあります。
質問のスキルは特に重要。質問するのはあくまでも相手のため。気づきはすべて「相手の中」にあります。とっさに使えるフレーズとして、「具体的に言うと?」「例えば?」「他には?」を活用します。
伝えるスキルは「伝わるように伝える」こと。自分の話に「タイトル」と「ナンバー(いくつ要素があるのか)」を振って予告しましょう。これは結局は事前に話すことを整理するための自分の訓練になります。フィードバックは反省してもらうよりまずは改善。そのために事実ベースでフィードバックをし、原因を特定することが重要です。
感想
個人的おすすめ度:★★★★☆
人の考えを変えることはできない。人を変えるなら自分を変えるほうが先。自分のアプローチを変えることによって、人の動き方が変わることはあるが、考えは変えられない。これが私の基本スタンスでした。
この本ではアプローチの方法を紹介しており、一見、部下の行動や考え方を変えることに働きかけているように見えます。しかしながら接するリーダー側のアプローチに問題があるケースが多く、それを改善するためのスキルと思いました。自分で学ぶことにかける時間は長い人が多いものの、誰かに教えるスキルが磨かれている人は日本人には特に少ないのではないでしょうか。
意外だったのは第6章に出てきた部下から上司に対するコーチングの事例。コーチングとは上司からするものだと思っていましたが、大概にして上司に問題があるケースが多いものです(私も含め)。しかしそれをあきらめて不満を言うのではなく、コーチングする方法があるのだなというのはよい気づきとなりました。
在宅勤務になって気づいた。オンラインとオフラインで人間はキャラが違う
リモートワークを断じて許さなかった勤務先も、いつのまにか在宅勤務の許可が出ていました。一生出ないと思っていました。驚きました。
オンラインとオフラインでキャラが違うという人、いるでしょう。私もそうです。仕事の際に文字にすると、少し強めの発言になっていて驚くときがあります。在宅勤務になって気づいたコミュニケーションの問題を記録しておこうと思います。
家にいると、仕事がはかどる
家にいると、とても忙しいです。なぜかいつもより仕事をしている気がします。私がくそ真面目なのかもしれませんが、普段はマネジメントもせねばなりませんので、しょっちゅう中断し、常にマルチタスクで全部の仕事が中途半端状態でした。ですが、マルチタスクを遮断して、ひとつのタスクに集中することができるので、あれ思ったより業務が進むなって思いました。
はかどるのはマルチタスクではないから。でもそれが意味すること
はかどるのはマルチタスクではなく、しっかり集中できるからです。また優先順位も冷静に付けられるようになりました。9時から10時はAの仕事、10時から10時半はメールチェック、10時半から…と自分のやりたいようにスケジュールを組むことができます。
しかし、気づきました。自ら仕事が進められる人と、確認しなければ前に進めないタスクを持った人がいます。これは能力の問題ではなく、業種や職種、立場の問題です。例えばクライアントを抱えて制作物のディレクションを進めているような人です。部長の承認を必要としているような人です。量産のGOを待っているような人です。
となると、そういう人って意外と被害を受けているんじゃないかなと思いました。
後輩の手戻りが多い気がする
実際に、後輩や部下が変な方向に突っ走り、手戻りが発生するケースが少し増えているような気がします。確認が億劫になることと、説明が雑だったり下手だったりすることが起因しているように思います。
そもそもオンラインとオフラインで人間はキャラが違う
これはオンとオフの使い分けという話でなくて、オンラインだと発言強め人間がいませんか? 直接尋ねるととても分かりやすい説明なのに、オンラインだととたんに雑、回りくどい、口語でよくわかんない人。もちろん逆にオンラインが上手な人もいます。
自覚しないと、手戻りを増やすなと思いました。気づかないうちに、指示を受ける人の仕事を増やしている。
信頼感も影響する
信頼されている人と、そうでない人。私も別の人が同じことを言ったときに、普段の発言がロジカルで根拠をしっかり持った、正直な人のほうを信頼すると思います。普段積み上げてきたものが、在宅でも影響しているように思うのです。
私はオンラインだと返答が早いけど少し雑な人間です。誤解をしている人に、ときどき強めに発言をしてしまうことがあります。普段弱いくせに。このような自覚をしたほうがいいな、これいっぱい不幸な人を生み出すのかもなって思ったのでした。
気を付けること
指示をする場合は丁寧に、明確に、解釈がいろいろできるように抽象的にしない。
指示を受ける場合は、分からない場合は分かったふりせず、お前の説明分かんないってちゃんと言う。
というのを覚えておこうと思います。
「あなたの1日を3時間増やす『超整理術』」の内容要約|無駄を減らし時間を節約する方法
「あなたの1日を3時間増やす『超整理術』」という本があります。この本についての感想と要約、向いている人などを紹介します。
どのような人に向いている本か
この本は、常に仕事に追われているビジネスパーソンや、仕事の優先順位をつけずにやってしまう人が向いています。整理整頓が苦手な人がいいかもしれません。若手から中堅までさまざまな人に向いています。
著者の紹介
「あなたの1日を3時間増やす『超整理術』」の著者は、高嶋美里氏です。早稲田大学理工学部を卒業し、大手予備校の数学教師を勤めていました。その後双子の子育てをするかたわら、在宅で年商3億円ほど売り上げるようになりました。今はオンラインスクール「シビスアカデミー」で学長を務めています。遊雅セレブリティ株式会社の代表取締役です。
書籍の概要
価格
1300円(定価)に消費税
ページ分量
227ページ。軽めの紙で文字も比較的大きく、通勤時に持ち歩いても苦にならない重さです。
文体
ですます調です。
写真やイラスト/図解
イメージのイラストが章の終わりにときどき出てきます。それ以外はありません。
章立て
章立ては以下のようになっています。章ではなく1日目から14日目までが記載されており、1日1章読んでいけば14日間で読み終えるようになっています。
- 第1章(1日目):デスクの整理
- 第2章(2日目):書類の分類
- 第3章(3日目):紙のデータ化
- 第4章(4日目):スケジュールへ落とし込む
- 第5章(5日目):データの分類
- 第6章(6日目):クラウドに必要情報をまとめておく
- 第7章(7日目):一目でわかる索引を作る
- 第8章(8日目):ネタとなるデータを保存する
- 第9章(9日目):自分の時間を把握する
- 第10章(10日目):定型化で時間を生み出す
- 第11章(11日目):隙間時間の活用
- 第12章(12日目):習慣化する
- 第13章(13日目):自分をコンテンツ化する
- 第14章(14日目):お金の整理
内容要約
それでは内容をご紹介します。といってもこの目次だけで何が書かれているのか想定がつくかもしれません。ここではネタバレも含みますが、ビジネス書の場合には、自分に役立つかどうかを判断して購入するものと考えています。買ってから自分にとっては期待外れにならないようにするために、紹介しますね。
1)物理的にもオンライン上でも整理をすることが大切
自分の時間をつくるためには、何がどこにあるかがすぐに取り出せる状態になっており、無駄なものがない状態が望ましいと書かれています。そのため、机の引き出しに置くものやどの程度の物が必要なのかという物理的なものについても、整理し制限するように書かれています。
これはデータも同様です。著者はクラウド上にすべて必要なデータをまとめておくことを勧めています。隙間時間でどこでも仕事ができるようにするためです。クラウドはGoogleドライブを勧めています。
書籍や書類などのファイルも必要な部分だけ記録し、探せる状態にして、処分することを勧めているのです。
2)整理をしたものは見つけやすくしておくことが必要
整理をしたものは、データを適切に分類し、見つけやすくしておくことを勧めています。書類は「今日やること」「期限があること」「期日がないこと」「5分でできること」とスケジュールごとの整理しておくのです。そもそも紙で持つことは推奨していません。データもルールを決めてフォルダを作り、ファイル名には検索ワードをすべて盛り込みます。一目でわかる索引をつくり自分やほかの人にも見つけやすくするのです。
3)あらゆるタスクをGoogleカレンダーに記録する
Googleカレンダーにすべていつ何をやるかを入れておきます。今日やることを確実にこなせるスケジュールを立てやることを把握するのです。マルチタスクは生産的ではないため、スケジュールに書かれたことだけに集中することを勧めています。だらだらやるのではなく、目安の時間を想定して入力します。
4)習慣化する
朝やることを把握するための時間を取ります。自分の時間を正確に測り、記録して振り返ります。こうすることで、どの程度の時間でタスクがこなせるのかを把握できるようにもなるのです。やることは翌日に延ばさず絶対にその日のうちにこなします。意地でも集中して終わらせるようになります。
5)定型化する
提携化できることがないか考えていきます。たとえばメール文面など何度か使うものをすべて予測変換で登録し、スピードアップをします。
6)ネタやコンテンツ化をし、自分のための投資時間をつくる
ネタとなるものもデータとして保存し、いつでも見つけられる状態にします。自分の体験をコンテンツ化できないか考え、データを記録し、いつでも取り出せる状態にしておくことで年収アップにもつながる可能性があると伝えています。
個人的感想
個人的おすすめ度:★★★☆☆
企業内では社外からアクセスできるクラウドを利用することが許されていないケースもあります。Googleドライブ以外のサーバーや別のクラウド上での管理がされていることもあり、どんな人でも実現できるとは限らない側面もあると思いました。
私は整理ができない人間なので、ファイルがデスクトップにあったり、ダウンロードフォルダがいっぱいになっていたりしています。また目の前のことから片付けてしまう癖もあります。このような変化の差分が大きい人にとっては、一度ざっと目を通すには有用な書籍だと思いました。
「35歳の教科書」の内容要約|今から始める戦略的人生計画には修正主義が必要
「35歳の教科書~今から始める戦略的人生計画」という本があります。この本についての感想と要約、向いている人などを紹介します。
どのような人に向いている本か
この本は、独立したい人、自分の特技を生かしたい人、組織の中で勝つことに疑問を持っている人に向いているのではないかと思います。35歳という年齢もあるように、若手よりは30代から40代くらいまでの方に響く内容だと思います。
著者の紹介
「35歳の教科書~今から始める戦略的人生計画」の著者は、藤原和博氏です。東京大学卒業後、リクルートに入社し、東京営業統括部長、新規事業担当部長を勤めたのち、ヨーロッパに駐在し、リクルートのフェローに。
一転して、2003年から杉並区立和田中学校の校長になるという経歴の持ち主。都内では初の民間校長に。橋下府知事の時期に大阪府の特別顧問も務めている。
書籍の概要
価格
952円(定価)に消費税
ページ分量
235ページ。軽めの紙で文字も比較的大きく、通勤時に持ち歩いても苦にならない重さです。
文体
ですます調です。口語のような語り口で読みやすいと思います。
写真やイラスト/図解
図は1冊の本の中で3点ほどです。ほとんどありません。イラストも出てきません。
章立て
章立ては以下のようになっています。
- 第1章:なぜ、人生に戦略が必要なのか?
- 第2章:戦略的ライフプランニングのすすめ
- 第3章:戦略作成の基礎は、クリティカルシンキング
- 第4章:自分だけのキャリアが身を助ける
- 第5章:つなげる力で仲間を増やす
内容要約
それでは内容をご紹介します。
1)正解主義で生きる成長社会の終焉
20世紀は成長社会でした。そのため、国が方針に従ってみんなが同じ方向を目指す正解主義の社会でした。終身雇用の会社の中で年功序列で給料も増えていく代表的なライフプランニングがありました。成長社会の日本は、会社や国にライフプランを任せておけばよかったので、個人の人生戦略なんて必要なかったのです。しかし今、成長社会は終わり、成熟社会に進んでいます。
2)これからのスキルにはクリティカルシンキングとプレゼン技術が求められる
成長社会で重視されたのは正解を導き出す力でした。これから求められるのは納得できる解を導きだす力です。PISA型学力と言われるもので、数学的リテラシー、科学的リテラシー、読解力が求められます。これからを生きる人に必要不可欠なものを、「クリティカル・シンキングを中心とした論理的思考」と、「相手の意見を聞きながら自分の意見を取り入れてプレゼンテーションをする技術」と伝えています。
3)どうすれば高められるのか
相手を知り共感すること、そのまま素直に受け入れすぎず批判的に物事を見ること、なりたい自分を演じて強くなり、ディベートで自分を鍛えることなどが挙げられています。PDCAサイクルではなく、DADADAの無限サイクルがよい。一つ実行したら3回修正してみる「修正主義」で取り組むのが大切だそうです。
4)これから取り組むべきこと
自分の技術とは何なのかを考え、自分自身と向き合って考えてみること。会社以外に打ち込めるものを見つけること。これからの時代は2つ、3つのテーマを混ぜることも視野に入れることも大切と述べています。自分のテーマを何個かに絞って取り組んでいくのがよさそうです。とくに25歳から35歳までの10年間はどのフィールドでどれくらい練習量を積むのかが今後を左右していきます。練習量を生かして、今後のテーマに取り組んでいくため、35歳という年齢をタイトルに入れたのでしょう。
ほかにも生活態度のリストラ、仕事のリストラ、地域とのつながり、組織内自営業、夫婦はなるものではなく「する」もの、など面白い表現がさまざま登場します。
個人的感想
個人的おすすめ度:★★★★☆
2009年に発行されたちょっと古い本です。編集的な原稿の構成はもう少し編集による工夫の余地があったのではないかと思う部分もあります。行ったり来たりする感じがあるためです。しかしながら著書の方が自分の言葉で語っているのが分かり、プレゼンのうまさも手伝って響く内容です。よくある自己啓発本とは毛色の違う本で、押しつけがましさもありませんし、転職についても触れていません。正解を示しておらず、これからの社会の方向性と、磨くべき思考や自分で決めるべきことを伝えているだけで、あくまで読者に行動をゆだねる形となっています。
個人的には一度は30代の方に読んでもらいたい本だと思います。ぶっちゃけ私、35歳超えてます。35歳超えても読んではいけない本ではありません。ご安心ください。
kindleなら200円以下で購入できるようです。
「物語でよむアドラー心理学」の内容要約|自由を得るためには、嫌われる勇気が必要
「物語でよむアドラー心理学」という本があります。この本について内容を要約と活用法をご紹介します。
どのような人に向いている本か
この本は、現在の仕事において人間関係に悩む方におすすめしたい本です。周りに合わせる人、お人よしな人、過度に悩みすぎてしまう人、クライアントから仕事を引き受けすぎてしまう人などが向いていると思います。
著者の紹介
「物語でよむアドラー心理学」の著者は、谷口のりこ氏と土居一江氏の共著となっています。谷口のり子氏は、大阪大学を卒業し、リクルートを経て、中学受験、住宅、音楽、経済関連など幅広い分野でインタビュー記事や単行本を執筆しています。映画・ドラマのシナリオも手掛けているようです。フリーライターとして活躍されている方です。
土居一江氏は、子育て支援の会「アドラーフェライン横浜」の代表です。もともと中学校の保健体育の教師でしたが、アドラー心理学と出会い、教育方針を変えたそう。現在は「アドラーフェライン横浜」で心理学を使った子育て・生き方を伝えています。
書籍の概要
価格
1300円(定価)に消費税
ページ分量
269ページ。軽めの紙で文字も比較的大きく、通勤時に持ち歩いても苦にならない重さです。表紙にはイラストが描かれています。ブックカバーがあったほうがいいかもしれません。
文体
ですます調です。会話を中心としたストーリー構成になっており、最後に「まとめ」が来ます。
写真やイラスト/図解
イラストがたまに挿絵のように差し込まれています。ただ、多くはありませんので、イラストとセットで理解するようなストーリーではありません。また、図や写真はありません。
章立て
章立ては以下のようになっています。
- プロローグ
- 第1章:思ったこと、言っていいの!?
- 第2章:ハッキリと断れない!
- 第3章:『苦手な人』『嫌いな人』がいる……。
- 第4章:起こる上司を何とかして!
- 第5章:子どもだって、大人だって仲間になりたい!
- 第6章:ステキな彼と出会いたい!
- 第7章:やりたいこと、あります!
- エピローグ
内容要約
それでは内容をご紹介します。ここではネタバレも含みますが、ビジネス書の場合には、自分に役立つかどうかを判断して購入するものと考えています。買ってから自分にとっては期待外れにならないようにするために、紹介しますね。今回ストーリーは紹介しませんので、本を読んでみてください。
メインキャラクター
静香:主人公。言いたいことが言えない女性
おばあちゃん:同居することになるおばあちゃんで、大学でアドラー心理学を教えていた。彼女が静香の指南してくれるストーリー
よし子ちゃん:静香の同僚で、アドラー心理学を体で実践しているような人
1)他人が自分のことをどう思うかは、相手の課題である。自分の課題ではない
人は自分が思うほど、他人の考えを気にしていません。実際に自分がどう思われているだろうと考える時間はあっても、自分が特定の他人のことについて突き詰めて考える時間ってそんなにないですよね。それこそ自意識過剰というもの。
相手が自分のことをどう思うかは、相手の課題(他者の課題)です。自分の価値観とは違うから気にしても仕方がありません。ましてや介入しないほうがよいです。何か仕事を振られたとしても、その仕事を振った側に課題があり、無理難題を言っているなら課題を切り分けて捉え、断るという選択肢もあります。
自分がどうしたいかをはっきり伝え、相手がどう思うかは自分の問題ではないと切り分けることが大切とのことです。
2)自由を得るためには、嫌われる勇気が必要
「嫌われる勇気」という本は有名ですが、まさにアドラーの教えの本。誰からも嫌われたくないと思っている限り、本当の自由は手に入りません。嫌われる勇気をもってこそ、自由に自分のしたいことを貫けます。ちなみに、他人の夢に人はさほど興味はありません。
2)トラウマは存在しない。トラウマを原因とせず、目的論で行動するのがアドラー心理学
トラウマに対しては諸説あるようですが、アドラー心理学ではトラウマを肯定していません。両親が離婚したことをトラウマに、結婚に夢が持てないのだとすると、親が離婚した人はすべて幸せな結婚ができないことになってしまうからという論拠です。
トラウマを肯定する考え方を原因論とするなら、アドラー心理学では目的論が特徴。何かしら目的がありその行動をとっているはずという考え方です。たとえば会議で思ったことを発現できないのは子どものころに恥ずかしい思いをしたからではなく、自分が黙っていれば問題が起こさないという目的をもっているから。
幼い頃に形成された価値観は変えることが可能。その場合は記憶を呼び覚まして解釈する早期回想が有効です。
3)嫌いな人、苦手な人は本来持っている力(強み)を見つける
見方を変えれば、短所も長所に見えることがあります。実は、苦手な人んも中に自分自身を見ていることがあります。これは自分が本当はしたいけど自制していることを堂々としている人や、自分がこだわっていることを侵している人です。
4)怒る人の真の目的を考えてみよう
怒る人には実は期待値があり(言ってくれよという話だが)、それを超えられなかったために怒るなど、隠れた目的があるケースがあります。早めに報告するのが回避するコツです。部下には褒めたり、叱ったりするのは上から目線の縦の関係です。感謝を伝えて対等な横の関係になることが大切。「どうしたの?」というコミュニケーションが有効です。
5)全体に貢献し、全体の一部だと実感する「共同体感覚」が最終目標
自分が誰かの役に立っていることで、共同体感覚が得られます。勇気づけとは自分は仲間であり、その人に能力があると思わせることです。
6)劣等感は自分の理想に達してないと感じるときの主観
劣等感があることは目標があることの証でもあります。悪いことではなく、それをバネに頑張れたらいいということです。
個人的感想
個人的おすすめ度:★★★☆☆
主人公のような性格の人は、日本の企業においてはむしろ重宝されてきたことが多いのではないでしょうか。正直なところ、私も部下や同僚にこういう人がいると楽だなと思いますし、自分自身も主人公と同じようなタイプだと思います。しかし、仕事の頼みやすさから重宝されたとしても、企業において、主人公のようなキャラクターは今後貢献しにくくなるのではないかと思います。差別化とは最もかけ離れた人物だからです。
日本の教育上、個性を褒めて伸ばすような教育はされていません。「出る杭は打たれる」ということわざは日本独自のものです。今でもみんなと違うことは教育上よい形で受け止められず、協調性や“空気を読むこと”が重視されます。企業も同様です。そこに苦しさを感じる人が多いからこそ、日本でアドラー心理学が流行ったのだと思います。みんなと違う発言をポジティブに受け止められることが当たり前になれたらと願います。
2015年に発行された本ですが、ストーリーについてはなぜか若干の古臭さも感じます。主人公の「〇〇するわ」という言葉遣いや、空回りしているような昭和のギャグによるものでしょうか。
とはいえ、ストーリーがあるからこそ、アドラー本の中では理解がしやすく、すぐに使える本なのではないでしょうか。同じような悩みを抱えていない人が読んでも、響かないかもしれませんが、断れない人、人間関係に悩んでいる人などぴったり当てはまる人がいると、すぐに使える内容になりそうです。
ただ、今絶版のようなので、中古などで探してみると見つかるかもしれません。興味あればぜひ手に取って見てみてください。
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個人的な役に立った人トップ3と、変態トップ3も、ご紹介しています。
どのような人に向いている本か
個人的にこの本が向いている人は、私の独断と偏見からしますと、以下のパターンのいずれかになりそうです。
- スタートアップやベンチャー企業として、これからプロダクトを生み出していきたい人
- 経営層や部長以上など一定以上の役職で、社内においてイノベーティブなものを生み出していきたい/生まれる流れをつくりたい人
- ブラック企業に勤め、疲弊している人
逆に優等的な方や企業内で順応して暮らしている方ですと、「こんな考え方あるんだ、世の中にはいろんな変態がいるんだなあ(褒めてる)」で終わりそうです。あえて3の方をあげたのは、今すぐ脱出するための後押しになるんじゃないかと思いました。
著者の紹介
『逆転の仕事論~あえて、レールから外れる。~』の著者は、堀江貴文氏です。元株式会社ライブドア代表取締役CEOとして世間を騒がせましたが、世代によっては逮捕されたことを知らない人もいるかもしれませんね。2006年1月に証券取引法違反で逮捕され、懲役2年6ヶ月の実刑判決を受けました。
現在は、SNS株式会社のファウンダーを勤めています。堀江貴文イノベーション大学校などの会員制のコミュニケーションサロンや、さまざまなアプリのプロデュースを手掛けています。『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』(ダイヤモンド社)など、著書も多数あります。個人的には元祖平成のイノベーターのイメージ。今は逆境をバネに活躍されています。
書籍の概要
価格
1400円(定価)に消費税
ページ分量
266ページ。少しページ量はありますが、軽めの紙で通勤時に持ち歩いても、そこまで苦痛にならない重さです。
文体
ですます調です。口語を中心にした文章です。インタビューや対談ではなく、一人称で語られています。文章が軽いので、1時間とはいきませんが、半日程度で読破できると思います。
写真やイラスト/図解
インタビューする方の写真が一面に出てきます。車内で広げると有名人の顔が全面にあるのは少し恥ずかしいかも。
インタビュー最後にまとめが出てきます。
文字が全体的に太字で構成されており、見慣れない感じがしました。とはいえ、読みにくくはないです。
章立て
章立ては以下のようになっています。
- 第1章(1/8):武田双雲「いまこの瞬間だけに集中し、幸運を引き寄せる」
- 第2章(2/8):佐渡島庸平「会社から出て初めて見える世界がある」
- 第3章(3/8):増田セバスチャン「オリジナルな世界を創り上げる」
- 第4章(4/8):田村淳「ルールのキワッキワにしか面白さはない」
- 第5章(5/8):HIKAKIN「より早く、より柔軟に、より愚直に」
- 第6章(6/8):小田吉男「楽しさをひたすら追求する」
- 第7章(7/8):小橋賢児「自分が違和感を感じる世界から飛び出す」
- 第8章(8/8):岡田斗司夫「自らの生き方そのものでリスクを負い、常識や道徳を書き換える」
内容要約
普段は、内容要約してネタバレしています。なぜなら、ビジネス書の場合、自分に役立つかどうかを判断して購入するものと考えているためです。しかしながら今回は、内容要約してしまうと買う意味がなくなってしまうかなと思ったので、誰が何を言ったかにはあまり触れずに、個人的な意見や感想を中心に紹介したいと思います。
8人の変態(イノベーター)が出てくる
8人の変態、もといイノベーターとは、武田双雲、佐渡島庸平、増田セバスチャン、田村淳、HIKAKIN、小田吉男、小橋賢児、岡田斗司夫。
この中で2人以上、好きって人がいるなら手に取ってみてもいいと思います。
インタビュー+堀江貴文氏の軽いまとめという構成
8名それぞれのインタビューのあと、堀江貴文氏の軽いまとめという構成で8つの章がつくられています。ただしインタビューとはいっても、おそらくライターが聞いて書いたものであり、堀江氏は出てこず、一人称です。分量としてもほとんどがインタビューを占めています。
堀江貴文氏の仕事論を知る本ではない
勘違いしそうなので、これだけはお伝えしておきたいです。この本は、堀江貴文氏の仕事論を知る本ではありません。この方がプロデュースした本とでもいえばいいでしょうか。それぞれの方がどのような思考や行動でチャンスをつかみ、あるいはあえて手放し、なりたい自分になったかが書かれています。
堀江貴文氏と面識があり、(おそらく)この本のテーマに沿って選んだ人であり、彼の視点からこいつ面白いな、と思った方が対象だと思うので、そういう意味でさまざまな仕事論が見られます。普通ではない人ばかりです。
個人的に考えた変態ランキング
誰の参考にもならないでしょうけれど、今回読んだ中で、個人的に変態だな、ぶっとんでるなと思ったトップ3を紹介します。
1位 岡田斗司夫
2位 武田双雲
3位 小田吉男
4位以降とは大きな差がありそうです。この3人が極めておかしい気がしました。もちろん結果も出していて、実力も、人脈もある方々です。
個人的に参考になったランキング
順位をつけるのもおこがましいのですが、個人的に読んでいて思考の仕方や大切にしているもの、実はとても戦略的な動き方など、参考になったトップ3です。
1位 佐渡島庸平
2位 HIKAKIN
3位 田村淳
あれ、変態ランキングとかぶらないですね。なぜでしょう。
まとめ
個人的おすすめ度:★★★☆☆
スタートアップのための勇気をもらえる本です。ただ、かなり人を選びそうな本だと思います。否定的な部分にも触れたので、今回ご紹介した内容からでも、何か惹かれるものを感じたら、手に取っていただいてもいいと思います。でもこの手のものが苦手な方は全力で逃げていいです。
というあたり、まだまだ私も常人のようです。