「才能に頼らない文章術」の内容要約|編集のスキルが体系化!誰でも伝わる文章が書けるようになるってホント?
『才能に頼らない文章術』という本があります。この本について内容を要約と活用法をご紹介します。
どのような人に向いている本か
この本は、文章を改善したい人、あるいは文章の改善方法を伝えたい人に役に立つと思います。職種でいうと、編集担当者、Webサイトのディレクション担当者や広報などでしょうか。近頃、コンテンツマーケティングやオウンドメディアに注力する企業も増えています。そのような中でコンテンツにまつわる仕事を受ける人は、目を通しておくとよさそうな本です。
著者の紹介
『才能に頼らない文章術』の著者は、エディットブレイン社の上野郁江氏です。もともと編集者として活躍した方です。慶應義塾大学大学院でシステムデザイン・マネジメントを学んだ経験を活かし、エディトリアルコンサルタントとして、編集者の育成にも携わっているようです。
書籍の概要
価格
1500円(定価)に消費税
ページ分量
231ページ。軽めの紙で文字も行間が適度にあり、通勤時に持ち歩いても苦痛にならない重さです。
文体
ですます調です。
章立て
章立ては以下のようになっています。
- 第1章:編集者はどのように文章を直すのか
- 第2章:チェックシートを使って編集執筆力を身につけよう
- 第3章:文章基礎力を磨く「編集の文法」
- 第4章:文章表現力を上げる「編集の文法」
- 第5章:文章構成力を鍛える「編集の文法」
- 第6章:文章に求められるロジックとは
- 第7章:共感を得られる文章を書くには
- 第8章:書いてみる、添削してみる!
- 第9章:書き手に求められるメディアマインドとは
内容要約
それでは内容をご紹介します。ここではネタバレも含みますが、ビジネス書の場合には、自分に役立つかどうかを判断して購入するものと考えています。買ってから自分にとっては期待外れにならないようにするために、紹介しますね。
1)編集執筆力は4つのスキルで構成されている
編集執筆力は、文章基礎力、文章表現力、文章構成力、メディアマインドの4つのスキルで構成されています。文章基礎力→文章表現力→文章構成力の順に難易度が上がります。
2)文章基礎力は正しい文法が使われているかどうか
いわゆる「てにをは」や、主語と述語は近くに置く、「である」と「ですます」は混ぜない、文頭と文末をきちんと対応させる、表記ゆれしない、口語体は多様しないなど、基礎的なことが記載されています。ルールの提示だけでなく、NG事例と正しい事例が対比できる点が分かりやすいです。
3)文章表現力には文章表現の注意点がまとめられている
単語、文、段落ごとに文章表現の注意点がまとめられています。
単語
曖昧な単語には説明を加える、一貫した単語を使うなど、ひとつの単語が文章の読みやすさを左右する例が記載されています。
文
「これ」などの指示代名詞を多用しないこと、事実と解釈の区別を明確にすること、一文が長くならないように注意するなどの例が、記載されています。
段落
論理構造が破綻しないようにすること、技術内容に過不足がないようにすること、接続詞を多用しないこと、文末表現に変化をつけることなどの例が、記載されています。
ここでも、NG例と正しい例があるので分かりやすいと思います。
4)文章構成力
タイトル、見出し、文章構成ごとに文章構成力のポイントがまとめられています。
タイトル
文章の目的が達成されているか、タイトルと本文の内容にズレがないか、興味を引くタイトルがついているかなどの例が、記載されてげいます。
見出し
飽きずに読み進められる見出しがつけられているか、見出しと本文にズレがないかなどの例が、記載されています。
文章構成
文章全体のテーマを明確にする、文章全体の論理構造を明確にする、興味を持って読み取れるようにするなどの例が、記載されています。
5)ハフポスト日本版とBuzzFeed Japanのインタビュー
最後にメディアマインドを学ぶという意味で、ハフポスト日本版とBuzzFeed Japanの編集長のインタビューが掲載されています。どのようなスタンスでメディア運営がされており、どのようなチェックをしているかが紹介されています。
まとめ
個人的おすすめ度:★★★★★
編集や文章に携わるなら一度は手に取っておきたい良書です。今まで自分が指摘を受けたり戻されていたのは、こういう理由だったのかと腑に落ちる部分もたくさんありました。読者特典のチェックシートは実際に仕事でも使っています。
ただし、この本で紹介される文章術は小説やブログ向きではありません。ハウツー系(ストック型)の記事に向いている印象です。また、編集者としてある程度経験を積んだ方には、当たり前すぎると感じることも多いかもしれません。今回の要約だけで何を指しているのかが理解できる方は読まなくても大丈夫だと思います。
興味あればぜひ手に取って見てみてください。
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